ジルコニアインプラント -学術的考察-
2011年05月31日国際的学術雑誌に掲載された論文を抜粋しジルコニアインプラントの有用性について探っていきたいと思います。
The Zirconia Implant-Bone Interface:A Preliminary Histologic Evaluation in Rabbits
Oliver Hoffmann, Nikola Angenov, et al
The International Joural of Oral & Maxilloafacial Implants 2008;23:691-695
Zirconia, a ceramic material with widespread use and good long-term results in the feild of orthopedic medical implants, has been recently suggested as a material for dental implants.
ジルコニアというセラミックは、広く整形外科領域で医科用インプラントとして使用されており、良好な結果を得ています。それに基づき、最近では歯科用インプラントとして使用されることが進められています。
Histologic analysis of disks implanted into rabbit muscles revealed no carcinogenic, toxic, or immunologic effects of this material. Previous in vitoro testing confirmed that zirconia does not have any oncogenic effects.
ウサギを使った組織学的(標本を作り顕微鏡で調べる方法)な実験では、インプラントは、毒性を示したり、免疫を低下させるような影響を及ぼさないことがわかりました。これまでの、試験管を使った実験では発癌性は無い事がわかっています。
Osseointegration as well as positive clinical outocomes have been demonstrated. Furthermore, the inflamatory responce and bone resorption induced by ceramic particles are much less than those induced by titanium particles, suggesting the biocompatibility of ceramics.
実験的(動物実験)には、セラミックインプラントと骨との結合は認められました。さらに、チタンインプラント(従来型のインプラント)で見られた、骨との間の炎症反応や、インプラント周囲の骨の吸収と比較して、セラミックインプラントの炎症反応や骨吸収は極めて低く、歯科用インプラントとしての有用性が示唆されています。
全文を御紹介できないので解りにくいかと思います。
まとめますと、ジルコニア素材のセラミックインプラントは従来のチタンインプラントと同等以上に骨と結合し、さらに体に優しいものである事を示唆しています。
- 前のページ:咬み合わせ(咬合)とは何か
- 次のページ:金属アレルギー概論