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アメリカ学術研修(ハーバード大学、タフツ大学、クレイトン大学)

2011年10月17日

アメリカ ハーバード大学研修

9月19日から1週間アメリカハーバード大学、タフツ大学、クレイトン大学に研修に行きました。
日本の歯科は、アメリカによって牽引されています。その中核となる大学に於いて研修できたことは大きな収穫になりました。

初日にはマサチューセッツ州ボストンに在るハーバード大学での研修となりました。世界屈指の頭脳が結集しているという雰囲気で緊張感がみなぎっております。そこでは内科学の教授より心疾患、動脈硬化と歯周病の関連について講演されました。
アメリカでは内科医が循環器系疾患をコントロールするうえで歯周病の治療が非常に重要であるとの旨、御講演いただきました。特に弁膜疾患や感染性心内膜炎の予防には口腔内細菌を減らすことは必須になっております。
近年日本でも歯周病と生活習慣病の関連について啓蒙されつつありますが、一部の先生の間では非常に熱心に取り組まれているものの、大部分の内科医の認識が十分とはいえないのが現状です。
同じくボストンのタフツ大学では、歯周病により審美性を失った(歯根露出など)歯肉を回復させる方法や、前歯部における審美性の高いインプラント治療について語られました。また最新の美容医学として歯茎や頬の粘膜からコラーゲンを注入し、ほうれい線や皺を取り除き、張りのある肌に改善するという治療法が発表されました。

食事は以外にもシーフードが美味しく、ロブスターは日本ではなかなか味わえないほどの上品な味わいでした。

ネブラスカ州オマハに存在するクレイトン大学では衛生学の講義も行われ、歯を失う時の原因として歯周病が非常に大きなリスクファクターであることを、全米の多くの人を対象とした疫学的調査の結果を基に、統計的解析を用い明らかにされました。
放射線学の講義ではX線写真やCT解析における問題点や注意点さらに発展的な活用法などの講義がなされました。
全米の学生の間で最も人気のある解剖学教授からの画期的な機能的解剖学の講演が行われ、日常臨床を新たに見直す機会となりました。最終日には、今の日本では受けることが大変難しい、人体を使った解剖実習が行われました。神経、脈管、神経などの解剖学的構造物を立体的に確認し、日頃の座学と違い、学生の頃学習した事を違った視点で学ぶことができたのは、日々の臨床に生かすことができる大きな経験となりました。

帰路はシカゴでのトランジットの待ち時間を含め約20時間の旅となり、かなりの疲労はありましましたが、非常に充実したものが全身を漲り、思いも新たに治療に取り組むことができるような気がいたしました。